PAMMとは?特殊な運用方法について解説と注意事項
- 2015.06.08
- 2019.10.24
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PAMM (パム)をご存知でしょうか?
正式名称はPercentage Allocation Management Moduleで、頭文字を取ってPAMMとなります。
今回の記事は、PAMMとは何か?と、注意喚起も含めたその運用等について書いていきます。
PAMMとは??
まずは、PAMMについてご説明します。
PAMMとは、別名マジージメントアカウントとも呼ばれており、簡単に言いますと、【自分の口座を第三者(トレーダーやEA等)に運用してもらう】運用方法の事を言います。
業者が出資者を募り、参加者は業者が指定の口座(PAMM口座)を開き、そこにお金を入れることで、代わりに運用してもらうと言う仕組みです。
国内にはそう言った仕組みがありませんので、基本的には海外のブローカーを通じて行うものになります。
運用方法は、その募集先によってさまざまではありますが、人であったりEAであったりその両方であったりします。
PAMMの最大の利点は、運営側は自ら出資をしなくても莫大な資金を集めて運用することができ、利益の一部を手数料として徴収します。
運用を任せる側は、自ら運用しなくても、トレードして貰える点です。利益は、口座の証拠金の割合に応じて分配されます。
PAMM (パム)システムの運用の特徴
PAMMシステムの運用の特徴としまして、
- 自分の口座で運用可能
- 取引結果を監視できる
- 複数口座で運用可能
- 少額からプロの運用に託せることが可能
- トレードはプロが行う
PAMMの特徴としてはこのようなことが挙げられます。
特徴にあるように、あなた自身の口座での運用ですから、トレードはリアルタイムで監視できます。
もちろん、入出金はあなたしか出来ませんので、勝手にお金を抜け取られたりすることはありません。
さらに、複数口座を合算して運用可能ですので、利益はその複数ある口座の証拠金の割合に応じてに比率分配されます。
そして、何よりあなたがもし、FX初心者であったり、まったくFXトレードに関する知識やスキルを持っていなくても、トレードを行ってもらえます。
運用を行うトレーダー自身、成果報酬型なので、利益を上げない限り収入はありません。
ですが、運用を行う側のトレーダーからすれば、自分のお金で運用する訳ではありませんので、リスクはありません。
そういったメリットから、トレーダーやファンドマネージャー自身がPAMMの運営を行うケースも増えています。
また証券会社自身が運営者である場合もあります。
証券会社の場合は、トレーダーは誰でもなれる訳ではなく、証券会社の審査に受かる必要があります。
どのような審査が行われ、どのような基準で合否判定を行っているかわかりませんが、審査が厳格に行われているのであれば、勝てないエセトレーダーは排除され、スキルのあるトレーダーが集まることで、PAMMシステムは、よりよいサービスとなる可能性を秘めています。
日本で認可されていない
このPAMMですが、金融商品取引法の関係で日本国内では禁止(2015年時点)されていますので、海外でのサービスとなります。
しかし、トレードの損益は、トレーダーやEAに全てを託すことになりますので、当然ですが預けた資金が大幅に減ってしまうことも覚悟しなくてはなりません。
他人の運用でどこまで許容できるか?
これまでご説明していますように、PAMM口座での運用というのは、第三者に運用を任せることになります。
ほとんどの方は、資産を増やす目的で運用されるのでしょうが、もちろん意に反して資金を減らす可能性もあります。
第三者いわゆる他人のトレードであなたの資産が左右されることになるのですが、それをどこまで許容できるのかが重要になってきます。
自分自身のトレードで減らすならともかく、他人のトレードで減らされるのは御免だ!という方は当然PAMM口座での運用は向きませんし、時には何故こんなトレードをするんだ⁉︎なんてこともあるでしょう。
そういった事も含めてどこまで許容できるのか?PAMM口座での運用は、トレードを託すことになりますので、それなりの覚悟が必要となりそうです。
PAMM口座開設の注意点
ではどこのPAMMシステムを選べば良いか?ということですが、その判断方法をお教えします。
これをクリアすれば良いPAMM口座だということではありませんが、判断材料の一つの目安として参考にしていただければと思います。
過剰な年利数字を謳っていると詐欺の可能性大
世界的なファンドでも、その年利は30%前後と言われています。
銀行の預金が0.3%弱である時代に30%とははっきり言ってとてつもない数字です。ですが、PAMMを集う業者によっては、年利100%や200%、300%と謳う業者もあります。
世界指折りのファンドの運用成績から見ると、現実味の無い成績です。
まず、このような年利の数字を見ると、非常に魅力的に聞こえるかもしれませんが、疑ってかかって下さい。
この数字を実現するには、ハイリターンを求める必要があります。
ハイリターンはハイリスクと背中合わせです。それ相応のリスクを背負う必要があり、運用という意味では、非常に危険でギャンブルに近い運用をされる可能性があります。
キャリアを疑う
FX商材でもよく使われる手ですが、架空のキャリアを名乗ってトレードのプロをアピールするPAMM業者は疑ってください。
元リーマンブラザーズや○○証券や現役の時は数十億のお金を動かしていた等々あの手この手で魅力的に見せてきます。
どれもこれも証拠は一切ありません。
そのキャリアが本物かどうかわかりませんし、素性のわからない人にあなたの大切な資金を預けて運用して貰うのは止めておいた方が良いと思います。
PAMM口座の運用方法を把握する
PAMMは業者によって運用方法は変わってきます。冒頭でも触れましたが、人が運用するもの、EA、その両方と言った具合です。
まず、どのような運用方法が取られているのかしっかりと把握しましょう。そういった説明の無い業者は逆に避けるべきです。
また、メリットばかり強調し、儲かるとばかり宣伝する業者も注意が必要です。必ずリスクは存在しますので、それらの説明がきちんとされている業者を選んで下さい。
入出金のルールを把握
ポジション保有時の決済が出来ないといったことや、どのタイミングで運用を停止することができるのか?入出金ができるのか?といったことをきちんと把握しておく必要があります。
特に出金に関しては、トラブルの原因になりますので、確認しておいてください。
PAMMを悪用した詐欺に注意が必要
PAMMシステムを悪用して詐欺も行われていますので、注意が必要です。
手口としては、元○○のファンドマネージャーが運用しますのような誘い文句で参加料金ウン万円という形で、でPAMMシステム商材を販売します。
しかし、実際には元ファンドマネージャーなど実在せず、PAMM口座に入金したあなたの大切な資産を運用するのは、粗悪なEA(自動売買システム)だというものです。
販売する業者からすれば、参加料金や適当に運用しても証券会社からIBと言われる取引量に応じた手数料が支払われますので、それらが儲けとなり、運用成績などどうでも良いのです。
このような詐欺も確認されていますので、十分に注意が必要です。
その他、投資には手を変え品を変え様々な詐欺が横行していますので、合わせて下記記事もご覧いただければと思います。
中国で史上最大で最悪のポンジスキーム事件発生!被害総額は約1兆円
結局のところ自分の資産は自分で運用するべき
PAMMの運用についての注意事項を書いてきましたが、私は結局のところ自分の資産は自分で運用するべきだと思います。
他人に任せて資産を簡単に増やせるほど甘くありませんし、自身のトレードスキルを上げた方が長く相場で稼ぐにはもっとも最短距離だと思います。
もし、あなたが勝てないトレーダーだとして、同じ損失でもPAMMでの損失とあなた自身が行ったトレードでの損失とどちらが許せますか?
私なら自分自身で行ったトレードでの損失なら納得が行きます。それは、裁量スキルを磨く上で次へのトレードに活きるからです。
ですが、PAMMでの損失は次に何も活かせません。損失から何も生まれないのです。
確かにPAMMシステムは、勝てるなら魅力的なシステムであることは間違いありませんが、その中でも色々な制約がありますので、思うようにいかない事もあります。
私の個人的な意見ではありますが、PAMMの利用を検討されている方の参考になればと思います。
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