窓埋め(ギャップ)を狙うトレード手法
- 2015.03.05
- 2019.10.23
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- ギャップ, トレード手法, 窓埋め

この記事では、 窓埋め に関して解説します。
FXをしているほとんどの方が見たことがあると思いますが、チャートには『窓』別名『ギャップ』と呼ばれ、多くは休み明けの月曜日に見られる現象があります。
『窓』というのは、値が飛んでいる状態を指して言われます。
この窓は何故発生するのか?そして、窓を発見した時の窓埋めを狙うトレード手法についてご紹介します。
FXの窓埋めを狙うトレード手法というのは、実は海外では一冊の本が出版されるほど優位性が認められたメジャーな手法でもあり、窓埋めだけを狙うトレーダーも存在します。
【 伝説のFXトレーダーGFF氏の手法とは? 】でも紹介していますが、10万円をたった3ヶ月で6億円にまで増やし、そして、その後3億円を損切りで失ったという伝説のトレーダーGFF氏(グフフ)も取り入れていた手法です。
月曜日のチャートに発生する窓とは?
上記は米ドル/円のチャートです。
チャートの円の部分が窓(ギャップ)と言われる箇所なのですが、通常は終値と始値は横並びですが、値が飛んでいることが見れ取れます。
窓が出来ているローソク足の終値は、108.097円で次の足の始値は、107.774円。約30銭ほどの窓空きが見られます。
このように、前の足の終値と次の足の始値に剥離がある現象を窓(ギャップ)と言われます。
窓ができる理由は?
この窓空きが起こる理由は、FX証券会社の取引停止時間(土曜早朝〜月曜早朝)の間に値動きが見られたためにオープンと同時に値が飛んでスタートします。
その主な理由は、以下の3つ。
- 中東やドバイ等のイスラム圏の為替取引
- 大口注文
- 急激な為替変動
中東やドバイ等のイスラム圏の為替取引
週末の土日は市場が閉まり、取引停止状態となる日本や欧米と違い、イスラム圏は金曜日が市場が閉まります。
日本や欧米市場が閉まっている中でのイスラム圏の取引量は、比較的少なくなりますが取引は行われています。
世界情勢というのは日々変化しますが、土日に為替市場に影響のある要人の発言や事件や出来事があれば、イスラム圏のFX会社に口座を持っているトレーダーがトレードを行います。
その影響が金曜日の終値と月曜日の始値に窓(ギャップ)が為替が動くというのが窓が開く要因の一つです。
大口注文
窓(ギャップ)ができる2つ目の理由は大口注文によるものです。
大口の注文であれば、休みの間でも注文を受け付けるFX会社があるようです。
日本の主要なFX会社の月曜日のトレード開始可能時間は、7:00からです。
ですが、サクソバンクでは、月曜早朝3時から取引が可能となっています。一般的に世界で1番早く開くと言われているオセアニア市場ですら開いていない時間です。
取引量が少ない時間に大口注文が入ると、為替市場に大きな影響を与えるのは必至で、窓(ギャップ)ができる要因となります。
FXの初心者の方の多くは、使用している証券会社でトレードが出来ない時間は、相場は動かないと思われていますが、証券会社が休みなだけであって相場は365日いつでも変動するのです。
この為、取引クローズから次のオープンまで世界情勢に何が起こるか分かりませんし、証券会社がクローズしている間は、損切りや強制ロスカットも執行されませんので、世界情勢を受けて為替に大きな変動が起こった場合、証拠金がマイナスになることもあり得ます。
ですので、週またぎのトレードはするべきでは無いと提唱する方もおられます。
急激な為替変動
これまでの話は、証券会社がクローズしている間に相場が動き、窓が開くというものでしたが、取引中にも関わらず、窓が開く場合もあります。
それは、急激な為替変動によるものです。
最近では、スイスフラン暴落ショックにより、取引時間中にも関わらず、大きな窓が開きました。

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窓埋め(ギャップ)を狙ったトレード手法
次に窓埋め(ギャップ)を狙ったトレード手法をご紹介します。
冒頭でもお伝えしましたが、窓埋めを狙ったトレード手法というのは、海外では優位性が評価されているメジャーな手法の一つでもありますし、【伝説のFXトレーダーGFF氏の手法とは?】でご紹介したGFF氏も取り入れていた手法の一つでもあります。
もう一度、窓が開いたチャートをご覧下さい。そして、その後の値動きに注目して下さい。
値が飛んでスタート窓(ギャップ)が発生した相場ですが、窓を埋めるかのように元の値に向かって動いているのがお分かりいただけるかと思います。
月曜日に空いた窓は必ず埋まるのか?
月曜日に空いた窓は埋まると言う法則性から、この窓埋め(ギャップ)を狙ってトレードする方も多いですし、中には月曜日の窓埋め狙い専門のトレーダーもおられるほどです。
それほど、月曜日の窓埋め(ギャップ)狙いは有効な手法だと言えます。
しかしながら、この窓埋め(ギャップ)という現象が何故起こるのか?と聞かれると、なかなかその答えは難しいです。
- 開けた窓だから閉まるんだよと言う方
- 窓が開くことで決済が成立した逆売買によるもの
- 予め設定しておいた指値注文による取引成立が起こるので、取引の全体としては窓は埋まる方向へと動く
- 窓が埋まるのをわかっているからその方向にエントリーするから
等々言われますが、なるほどと思いますが、正直どれもピンと来ないですよね。
色々な諸説がある通り、どれが正解というのは無いのかもしれません。
しかし、100%窓が埋まる訳ではありません。上記チャートも窓が発生していますが、窓を埋めに行く動きはしたものの、結局窓は埋まらずです。
ですから、窓埋め(ギャップ)狙いをするなら、高確率で窓は埋まりますが、100%ではないということは覚えておいて下さい。
窓埋め(ギャップ)が起こるのか見極める
窓埋め(ギャップ)が起こる可能性は高確率ではあるが、100%ではありません。
より精度高く窓埋め(ギャップ)を狙うなら、埋まるのか埋まらないのかを見極める必要があります。
そのヒントは、そもそも何故窓が開いたのか?という理由にありそうです。
ご紹介した通り、窓が開く理由として、
- 中東やドバイ等のイスラム圏の為替取引
- 大口注文
- 急激な為替変動
特に一つ目の世界情勢の出来事による窓開けは、その出来事を織り込んでの相場の動きですから、窓を埋める可能性は低いように思います。
つまり、要人発言や世界情勢による窓空きは、ファンダメンタルが相場に影響を及ぼす為、テクニカルは無効となります。
先程のスイスフラン暴落ショックによる窓も、世界情勢によって開いた窓ですから、窓を埋める流れにはならないと言えます。
一方、中東やドバイでの取引によるもの、大口の注文によるものは、理由のない窓開けということが多く、こう言った理由によって開いた窓は埋める傾向にあります。
ですから、窓埋め(ギャップ)を狙ったトレードをする方は、週末の世界情勢には注目しておく必要がありますね。
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