スキャルピングはなぜ初心者に難しい手法なのか?
- 2019.01.13
- 2020.03.28
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- FX, スプレッド, 初心者 スキャルピング, 勝てない

FXトレーダーに人気の手法の一つにスキャルピングがあります。
恐らく短時間で勝敗が決するという分かりやすさから人気なのですが、このスキャルピングという手法は一般的に初心者には難しい手法だと言われています。
この記事では、なぜスキャルピングが初心者に難しい手法なのか?ということをご紹介したいと思います。
スキャルピングとは?
スキャルピングを一言で言うと、超短期売買手法です。
エントリーと決済を細かく行い、数pipsという小さな利益をコツコツと積み重ねて行く手法です。
その特徴は、デイトレードやスイングトレードと比較してポジションの保有時間が短時間であり、狙う値幅も極小であるということです。
また、狙う値幅が少ない分、レバレッジを多く掛け、多ロットで仕掛ける人が多いのも特徴の一つです。
これほどまでスキャルピングが定着した理由として、手数料(スプレッド)の安さが挙げられます。
顧客を得る為に業者間の競争が激化し、スプレッドがどんどん狭くなりました。手数料となるスプレッドが安くなったため、少しの値動きでも利益が得られる環境となり、これがスキャルピングの流行に拍車を掛けたと思います。
スキャルピングのエントリー その根拠は?

一言にスキャルピングと言っても、その方法は様々です。
例えば、相場の環境認識をきちんと分析した上で、トレードする方法。
この手法では、主にトレンド相場を捕まえて、上昇(又は下降)の中で、仕掛けと手仕舞いを繰り返します。
次にレンジ相場での逆張り。これはトレンドが発生していない中で、レジサポラインを引いてレンジ内で逆張りで仕掛ける方法。
そして相場の環境認識を行わず、チャートの流れで上がるだろう、下がるだろうという期待値で仕掛けと手仕舞いを繰り返す方法。
なかなかスキャルピングで勝てない人はこの手法が多く見受けられます。
初心者がスキャルピングをする心理
これはあくまで私の経験則ですが、初心者がスキャルピングをしてしまう、好む理由は『初心者は特に含み損が精神衛生上良くなく、含み益を抱えた瞬間に利益確定させたくなる』という事だと思います。
私もFXを始めた当初は、当然自分のスタイルの確立など出来ていませんでした。
スイングトレードなのか、デイトレなのか、スキャルなのか、トレンドフォローなのか、逆張りなのか、どういった状態でエントリーするのか…
本当に上がるか下がるかのゲーム感覚でFXに入ってしまいました。
損切りは必ずしないと大きな損失が出るという恐ろしさはありましたので、大きな含み損を抱える前に欠かさず損切りはしていたのですが、不思議なことに買えば下がる、売れば上がるという相場の洗礼を受けました。
それを繰り返す内に、損失が出ることが怖くなり、含み益が少しでも出ている内に利益確定してしまおうとなりました。この精神状態からこの流れになることは極々自然なことだと思います。
今でこそ勝率よりも利益重視という考えになっていますが、初心者ほど勝率にこだわり、わずか数pipsながら勝ちを重ねることがたまらなく嬉しくなりました。
スキャルピングにはまってしまう理由の一つに、利益はともかく勝率で言えばそこそこ勝ててしまうということです。目先で考えると、そこそこ勝てているので、この手法が自分には合っていると勘違いをしてしまうのです。
そんなことでトレードを繰り返すと、いつか大きな含み益を抱える時が来ます。そしてその損切りをたった一回もしくは複数回するだけで見事なまでにこれまでの利益を吹き飛ばしてしまいます。
上がるか下がるかは五分五分ですが、相場とは本当に難しいもので買いで仕掛けると下がり、売りで仕掛けると上昇するものです。
ランダムウォーク理論で見ると破産します
必要な分析をせず、上がるだろう下がるだろうの期待でエントリーするスキャルピングは、相場に対して優位性のある分析がされておらず、言わば五分五分の勝負となります。
ランダムウォーク理論に基づくと、五分五分の勝負に挑むと必ず破産します。
それほ、勝負回数が増えれば増えるほど、また一回の掛け金が増えれば増えるほど、その時は早くやって来ます。
FXに置き換えるなら、スキャルピングは超短期売買であるため、トレード回数が多くなります。また、狙う値幅が少ない分、レバレッジを多く掛け、多ロットで仕掛ける人が多いのも特徴の一つとお伝えした通り、一回の掛け金が多くなります。
まさに、ランダムウォーク理論で見ると破産が確定しているようなものです。
なぜ初心者のスキャルピングは勝てないのか?
それでは初心者がスキャルピングで勝てない理由をご説明します。
スキャルピングは瞬間的な判断を必要とする
スキャルピングは、謂わば値動きのわずかな動きを捉えて利益を得ようとする方法です。瞬間的な判断と操作が必要とされ、初心者にはなかなか難しい作業です。
例えばトレンド相場で上昇中(又は下降中)の動きの中で仕掛けと手仕舞いを繰り返す方法であるなら予めシナリオを描きやすいですが、初心者のスキャルピングはそういった相場の分析を行わず、価格の動きの中でのトレードが多いので瞬間的な判断が必要とされます。
初心者が狙っているのは相場のノイズ
初心者のスキャルピングは、価格の動きの中で上がるだろう下がるだろうを予測して仕掛けています。
その見ている細かな値動きは、言ってみれば相場のノイズです。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、相場の大局を把握せず、目の前の値動きだけに捉われてトレードしていては、とても相場の予測というのは無理です。
何故ならそれは単なるノイズだからです。短い時間足になればなるほど、そのノイズはチャートに色濃く反映されます。
そのノイズが含まれたチャートから得られる情報はとても不確実なものであり、トレードの根拠としてかなり不十分なものです。
初心者のスキャルピングは、ノイズに振り回されているものとなりがちです。
手数料が高くなる
FXの手数料となるスプレッドの幅が狭くなっているのは事実ですが、スキャルピングは僅か数pipsを抜き取る手法ですので、相対的に手数料が高くなります。
このスプレッドがある以上、エントリーした時点で含み損からスタートします。スプレッドでの含み損分、値動きが上昇(又は下降)してからがイーブンでのスタートとなります。
トレードの保有時間や抜き幅に関係なくスプレッドは一定です。
トレード回数が多く且つ狙う値幅も小さいため、どうしても手数料(スプレッド)が負担になってしまうのです。
顧客奪取にスプレッドは重要な要素となっており、どの業者もかなり狭いスプレッドを提供していますが、スキャルピングを行うにはその業者選びも大切です。
さらにスキャルピングの怖いところは、一回のトレードで得られる利益は少ないが、かなりの確率で数pipsなら抜けてしまうところです。
それなら!と、多くの利益を得ようとし、どうしてもレバレッジを利かせて、多ロットでのトレードになってしまいます。
そうなると、正にランダムウォーク理論です。五分五分のトレード手法は、破産へと突き進んでいるのです。
スキャルピングは勝てない手法なのか?
ではスキャルピングは勝てない手法なのか?と言われると決してそうではありません。
スキャルピングで勝っている人は多く存在します。【FXで億を稼ぐ人の思考と戦略】でご紹介したようにスキャルピングで億の財を成したトレーダーも存在します。
初心者にスキャルピングが難しい理由として、値動きの中での直感でトレードをしてしまっていると言ってきました。
つまり、相場に対して優位性のある手法の中でのスキャルピングであれば勝つ可能性はあります。
手法が確立できていればシナリオも描きやすく、仕掛ける準備ができます。ノイズに左右されず、相場の大局を見た中でトレードが可能となります。
スキャルピングを自分のトレードスタイルとしたい人は、まずは自身の手法を確立することが勝つための第1歩となるでしょう。
当サイトで1番選ばれているスキャルピング商材のレビュー記事は下記よりご覧下さい。
初心者トレーダーにもわかりやすい手法とツールがセットになった商材です。
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