トルコリラ(TRY/JPY)のスワップ信者が阿鼻叫喚の嵐

トルコリラ(TRY/JPY)のスワップ信者が阿鼻叫喚の嵐

トルコリラと言えば、日本円との大きな金利差からスワップ信者からすると絶好の通貨としてお馴染みです。

多くのFX業者はスプレッドの狭小を実施したりキャンペーンを行ったりと顧客を取り込みを図りました。

くりっく365での取引量ランキングでは、トップはドル円、次いでNo.2のポンド円。そして、ユーロ円を差し置いて人気No.3の通貨組み合わせがトルコリラ/円となっているほどです。

また証券会社や信託銀行、ファンドもトルコリラの高金利を謳った商品の販売を続々と行ってきました。

トルコリラが大暴落 阿鼻叫喚の嵐

トルコリラは、2018年1月2日には日本円に対して高値で29.845を付けていましたが、9月14日現在18.145円と暴落しています。

8月10日が1番変動が大きい一日でしたが、始値19.968円、終値17.131円、高値20.033円、安値15.811円という値を付けています。

トルコリラのスワップ信者がスワップでのこれまでの利益よりも為替損益により大きな損失を被ったのは想像に難くありません。

 

その影響か、金融先物取引業協会が公表する「ロスカット等未収金発生状況」では、8月の発生件数、発生金額が一気に跳ね上がりました。

ロスカット等未収金発生状況
金融先物取引業協会 ロスカット等未収金発生状況

H30/8の個人のロスカット未収金金額は、約4,430万円。トルコリラの暴落との関係性はわかりませんが、大暴落の時期とリンクしているだけに、影響は多分にありそうです。

欧州(EU)でFXのハイレバ、取引ボーナス禁止!バイナリーオプションは完全撤退』で述べていますが、日本のFX業者はゼロカットシステムを導入していませんので、現時点ではこのマイナスロスカットは、トレーダーがちゃんと支払わないといけません。

それでも、まだ圧倒的にロングのポジションの割合が多いです。損切りできずにいるのか、今が底値にあるという予想なのか…

トルコリラ/円 ポジション比率
トルコリラ/円 ポジション比率(9/16現在)

グラフの緑がロング、赤がショートです。圧倒的に買いポジションが多いことがわかります。

また、信託銀行等が販売するトルコの債券や株式を組み入れた投資信託も当然大幅に値下がりしました。

大和投信が申し込みを停止した「トルコ・ボンド・オープン」は、8月13日の1日だけで基準価格が前営業日に比べて22%も下落し、前年末比では53%安と半値以下になってしまったという自体も起きています。

日興リサーチセンターによるとトルコ株・債券などリラ建て資産を組み入れる投信は52本。

当然、為替相場の下落に伴い、全てにおいて大きく値下がりし、2017年末に4146億円あった運用資産は、2018年8月15日時点で2044億円まで減少しています。

カリスマ推奨がきっかけでトルコリラのスワップ狙い!?

カリスマとは、知る人ぞ知る池辺雪子さんです。

池辺 雪子(いけべ ゆきこ)は、東京都在住の主婦トレーダー(投資家)である。これまでに上げた利益は8億円を超える。彼女を有名にしたのが、2007年春、脱税の容疑で起訴され、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払い、当時一斉にマスコミが報じた。

引用:wikipedia

彼女は、オフィシャルサイト内でも、スワップ狙いの投資を推奨しています。

スワップ金利の最大の魅力は何といっても 何もしなくても毎日確実に安定収入が振り込まれる ということです!
毎月ではなく、毎日です! 損失が発生するリスクを抱えて為替差益を狙うよりも、 安全確実な収入を得たいという方にはオススメです!そうは言っても、ある程度専門的な知識や手法が必要じゃないの?」 そんな声が聞こえてきそうですが、決してそんなことはありません。極論しますと、 外貨を買って放っておくだけでいいのです。例えるなら、銀行にお金を預けるのに専門知識や高度な手法が必要でしょうか?もちろんそんなことないですよね。(今の日本では銀行にお金を預けても金利収入は見込めませんが) それくらい手軽なものなのです。日本がこれだけ低金利な時代、スワップ金利を狙わない理由が私には分からないくらいです。

引用:池辺雪子 オフィシャルwebサイト

しかしながらスワップ金利を狙う通貨の代表格であるトルコリラのこの大暴落。池辺雪子さんはどのような見解なのでしょうか?

『高金利通貨の魅力にひかれてトルコリラ円相場で買いポジションを長期的に持っている方は、例えば「1トルコリラ=10円を割るのではないか」といった専門家の意見を聞いて不安になることがあるかもしれません。しかし、そういった情報にただ怯えるのではなく、どのような状況にも耐えられるよう、しっかりと資金管理を徹底した上で冷静にトレードを続けることが重要です。』

『トルコの8月消費者物価指数(CPI)が前年同月比17.9%上昇したと発表されました。これを受けてトルコ中央銀行が13日の金融政策決定会合で利上げに踏み切る可能性が囁かれています。実際に利上げが実行されれば、トルコリラ円が買われる材料になり得ます。』

『ただし、下がった相場はいずれ上昇に転じます。そう考えると、金利狙いのポジションを持たれている方は、資金管理を徹底した上で金利をいただきながら待つことが大切だと思います。』

引用:マネーポストWEB 【新興国通貨が相次ぎ急落 カリスマトレーダーはどう向き合うか】

公式サイトやマネーポストWEBでの発言を見る限り、金利狙いのポジションによる為替差益に関する損失について何も触れらていないところが怖くもあります。

投資は自己責任ではありますが、『外貨を買って放っておくだけ』というその言葉を鵜呑みにして、損切りを設定せずにマイナスロスカットにあった人もいるでしょう。

影響力のある方ですし、投資に関しての怖さも十分に把握されているでしょうから、「安全確実」「外貨を買って放っておくだけでよい」「手軽」「スワップ金利を狙わない理由がわからない」等々簡単に儲かるみたいに捉えられてもおかしくない表現は避けて欲しいものです。

スワップ金利狙いは儲かるのか?

そもそも何故金利が高いのか?それは特に新興国では、高い金利で誘わないと外貨が入ってこないということにあります。当然それだけのリスクは付き物です。

これほどまでにトルコリラが暴落すると予測していた方は極々少数でしょうが、経済が不安定な分、少しのネガティブなファンダメンタルで大きく暴落してしまうのが最大のデメリットです。

そういったデメリットも踏まえた上で、スワップ金利狙いのポジション取りを実践していたトレーダーも多いですが、本当にスワップ狙いは儲かるのでしょうか?

確かに毎日スワップポイントが入金されますので、目先だけて捉えると資産が増えているように思えますが、為替損益も踏まえたトータルで見て資産が増えたのか見る必要があります。

トルコリラ/円 価格推移
トルコリラ/円 価格推移

上記はトルコリラ/円の価格推移です。月足で表示しています。

左側の緑線は2002年2月。このチャートで確認する限りの最高値を付けています。始値101.552円、終値95.409円、高値102.570円、安値95.181円。

そこから横這いが続き、2008年10月に長い陰線を付けてから下落が続いています。そして、2018年9月16日現在18.149円。

ほぼどの時点で買っても、スワップポイント以上に為替損益によるマイナスが大きいと言えます。

それでもスワップポイント狙いのトレードを続けますか?

スワップポイント狙いのトレードならリスクは無いと言うサイトもありますし、損切りはいらないと言うサイトもありますが、まったくのウソです。

お金を得る為に、リスク無くハイリターンは望めません。ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンが鉄則です。

つまり、金利が高い通貨を扱うにはそれなりのリスクが付き纏います。

トルコ中央銀行は新たな政策金利を発表しました。市場の予測を上回る24%です。実に6.25%もの利上げです。

政策金利については、『政策金利は為替レートを動かす要因の一つである』をご覧ください。

当然、買い戻しが多く入り、価格が高騰して政策金利発表後の最高値は、18.562円を付けています。

ですが最安値を付けた8月13日の週の最高値は19.417円ですので、それを更新できず上値は重いです。

まだまだ市場は信用していないと見るのが正解ではないでしょうか。

これからどのような政策が発表されるのかは未知ですが、それによっては高騰する可能性もありますが、更に暴落する可能性も含んでいます。

またあまりにも高金利は、デフォルトを引き起こす可能性があります。

デフォルトとは、「契約条件に定められた期日までに元本または利息の支払いが実施されないこと」と定義されています。これが国の発行した国債で起こるとデフォルトになり、その国の通貨は信用を失い暴落します。

それでもスワップ金利狙いの手法に魅力を感じますか?