FXをはじめとする投資方法の主流はAIに取って代わるのか

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FXや株取引等でもAIというのは非常に注目されていますし、大きな可能性を秘めたものです。

ヘッジファンドで取り入れられている話も聞きますし、FX会社でもAIを謳ったトレード環境を提供しているところもあります。

しかしながら、未だ完璧と言われるほどのFXトレードを行うAIと言うのは、確認されていません。

深層学習によりデータとして蓄積されたパターンを基に、相手や状況に応じた適切で柔軟な対応をすることができるところがAIの優れたところですが、この先データを蓄積して行けば、完璧なトレードAIというのは誕生するのでしょうか?

ウォール・ストリート・ジャーナルで「AIがウォール街を乗っ取れない理由」という題名の興味深い記事を見つけましたのでご紹介します。

AIを投資に活用するには3つの深刻な問題

これからご紹介する内容は、ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された記事「AIがウォール街を乗っ取れない理由」より抜粋します。

(2017年7月掲載 著者:ジェームズ・マッキントッシュ WSJ市場担当シニアコラムニスト)

その中で、AIを投資に活用するには3つの深刻な問題があるとしています。

  1. AIが賢すぎること
  2. AIを理解するのは往々にして不可能なこと
  3. AIは近い過去しか把握していないこと

現在の機械学習システムはパターンを見抜くのが非常に得意だがコンピューターは優秀すぎてしまい、実際には存在しないパターンまで抽出してしまうことがしばしばあると言います。

さらに厄介なのがAIが普及した場合、アルゴリズム同士が市場で対立し合うことになり、自滅的な結果をもたらしかねないという可能性を言及しています。

過学習の回避が必要

業界では、再発性のないパターンを抽出してしまう状態を「過学習」と呼んでいる。

オオカミを雪と関連付けることでオオカミとイヌの写真を判別できるようになっているアルゴリズムがあるが、オオカミの写真に写った無関係の雪を検出したり、過去の株価に未来と何の関連性もないパターンを見いだしたりすることだ。

英ヘッジファンドのウィントン・グループ創設者デービッド・ハーディング氏は、コンピューターを駆使した投資で肝要なのは、そうした偽パターンを回避する方法を見いだすことだと指摘。「過学習を避けられるかどうかは、心の持ちようだ。希望的観測を避けるのと同じだ」と話す。

残念ながら、システムが大量のインプットを基に何を根拠に判断を下したのかを理解するのは、ほぼ不可能であり、これは非常に重大な問題である。

判断の論拠は理解不能

アイルランドのメディオラナム・アセット・マネジメント社の機械学習システムには、米株に関連した1500の変数に関する20年分のデータがインプットされており、過学習を回避するため「ランダムフォレスト回帰」というアルゴリズムが使用されている。

初期の結果は良好だが、だたし機械学習システムは200億ドルのポートフォリオのごく一部にしか使用されておらず、最終的な決定は依然、ファンドマネジャーが下している。

その理由として、ランダムフォレスト方式の欠点は、コンピューターが特定の決断に達した場合、その判断理由がブラックボックスであり、理解するのが困難なことだ。

物事にはうまく行かないことが必ずあり、どんなアルゴリズムにも、ついていない日がある。何とか切り抜けられた場合とそうでない場合の違いは、アルゴリズムの動きに説明がつくかつかないかにある。

長期投資には不向き

高頻度取引システムは、変化するトレーディング状況の実例を十分に取得し、自律運用できるようになる可能性はあるが、多くの資本を分散させることはできない。投入される新しいデータセットの多くが10~20年前までしかさかのぼれないのであれば、機械学習を長期投資に適用するのは難しい。

コンピューターが過去のことを把握していなければ、世界恐慌等の過ちが繰り返されることになる。

出展:ウォール・ストリート・ジャーナル【AIがウォール街を乗っ取れない理由】