ジョージ・ソロスが再び投資の世界に戻ってくる

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近い将来の金融市場の急変を予測して、自ら率いるファンドで取引の指揮を再開したと複数のメディアが9日、関係者の話として報じました。また、株式を売却する一方で安全資産と言われる金を購入したという話もあります。

また、市場取引の現場へ復帰したとの報道を受けた9日の世界市場では英国株が売られました。「英の欧州連合(EU)離脱問題に警鐘を鳴らすソロス氏の報道を嫌気した」(CMCマーケッツ)との声が漏れ、その影響力が衰えていないことが証明されました。

ジョージ・ソロス

ジョージ・ソロス(George Soros、1930年8月12日 – )は、ハンガリー・ブダペスト生まれのハンガリー系およびユダヤ系アメリカ人の投資家・投機家、慈善家。ハンガリー名はショロシュ・ジェルジ(Soros György)。「イングランド銀行を潰した男」(”The Man Who Broke the Bank of England”)の異名を取る。

出典:wikipedia

ある発言が中国政府を怒らせた?

ジョージ・ソロス氏は、自身の発言が中国政府の怒りを買い、一大国から名指しで批判を受けた過去があります。

その内容というのが、2016年1月に開かれたダボス会議でブルームバーグによるインタビューに答え、「中国経済のバブルは既に崩壊しており、自分はアジアの通貨を空売りしている」と発言しました。

この発言に対して、中国政府は異様なまでの過剰反応を見せます。国営放送の新華社や中国共産党の機関紙などに怒涛の反論記事を掲載しました。

また、アジア通貨危機ではジョージ・ソロス氏が動いていたとも言われ、当時のマレーシアの首相は名指しでジョージ・ソロス氏を批判しました。

個人投資家に対して国家が反応を見せる、一国の首相が一個人を名指しするなど極めて異例のことであり、ジョージ・ソロス氏の影響力の強さを物語る逸話です。

世界経済を懸念したジョージ・ソロス氏がトレーダーに復帰

資産家ジョージ・ソロス氏は、世界経済見通しに対する懸念から、大きな市場変動が目前に迫っている可能性があると予想し、トレーディングへの関与を強めている。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。

非公開情報であることを理由に匿名で語った同関係者の話では、ソロス氏(85)は最近、取引を指示するためにより多くの時間をオフィスで過ごしており、一連の大口の弱気なトレードを指揮した。監督当局への届け出によると、ソロス・ファンド・マネジメントは、さまざまな市場が弱含むと見込んで前四半期に株を売却し、金と金鉱株を購入した。

ニューヨークに拠点を置くソロス・ファンドの広報担当者は、ブルームバーグの取材に対し、電子メールでコメントを控えた。

市場への抜け目のない投資で240億ドル(約2兆5600億円)の財産を築き上げたソロス氏は、中国を中心に世界経済に対して暗い見通しを抱いている。4月には、借り入れが成長を支える中国経済について、クレジット市場が行き詰まり世界的なリセッション(景気後退)を引き起こす前の2007-08年当時の米国に似ているとの認識を示していた。

ソロス氏は1月の時点で、中国経済のハードランディングは「事実上不可避」だとした上で、そのような落ち込みによって世界的にデフレ圧力が悪化し、株価が押し下げられて米国債相場が値上がりするとの予想を示していた。

こうした弱気な見方からソロス氏は前四半期に米国株投資を3分の1余り減らし、金市場に賭けていた。5月の監督当局への届け出によれば、ソロス・ファンドが開示している米国株の保有額は、3月末時点で昨年12月末から37%減少し、35億ドルとなった。

ソロス氏のトレーディングへの関与強化は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。

出典:Bloomberg

この記事からポイントを抜粋すると、

  • 中国を中心とした世界経済の見通しに不安を持っている
  • 大きな市場変動があると予測している
  • 一連の大口の弱気なトレードを自ら指揮している
  • 1/3の株を売却し、金や金鉱株を購入した
  • 株価が押し下げられて米国債相場が値上がりするとの予想している

また、ジョージ・ソロス氏のファンドの開示資料からは、金や金鉱株の他にも米株価指数に連動する上場投資信託(ETF)のプット・オプション(売る権利)も積み増していることが確認されています。(プットは金融派生商品の1つで、指数の下落時に利益が出る。)

株を売却し、安全資産とされる金への投資、更にはプット・オプションの積み増し再開は、ジョージソロス氏が大きな市場変動による混乱を視野に入れている様子を浮かび上がります。

市場関係者の反応、見方は?

「ソロス氏の動向が短期的な相場の方向感に影響を与えるとは思えない」「同氏の見解は傾聴に値し、ヘッジファンド関係者も明らかに意識している。」イーグルズビュー・キャピタル・マネジメントのニール・バーガー社長

「ソロス氏は流行に乗らない。得意とするのは破裂の局面」投資会社ウィズ・パートナーズでマクロ系ヘッジファンド担当:石見直樹氏

「膨らんだ中国の債務は深刻な問題で、ソロス氏の警戒感は理解できる」シンガポールに拠点を置くヘッジファンド運用者

米株式相場は高値圏で安定した値動きを続け、強気派と言われる存在が現時点では株式相場を牽引しています。

今年に入りソロス氏は中国経済に対する懸念を何度も指摘していますが、「恐ろしいほどの天才」と言われるジョージ・ソロス氏の行動、株式市場の動向に注目です。