イギリスのEU離脱問題による為替相場の急変

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EU離脱問題に揺れるイギリスでは、6月23日にその是非を問う国民投票が控えています。それに伴い、為替相場の予期せぬ急変が起こる可能性があり、顧客に注意喚起を行うFX会社もあります。

投票結果だけでなく投票前の不確かな情報でも相場急変の可能性あり

イギリスがEUを離脱するのかしないのか?これは為替相場にとって非常にナイーブな問題です。投票結果だけでなく事前報道でも為替相場が激しく反応する可能性がありますし、ソース元のはっきりしない不確かな情報でも大きく変動することも予測されます。

英ポンドの取引を中止する投資家も

日本経済新聞によりますと、投票がどう転ぶか見当がつかず、英ポンドの取引を中止している投資家も多いようです。

それに伴い、「市場参加者が細れば取引量は減り、相場の値動きを増幅させる。前日7日午後の東京市場で、英ポンドが突然急伸したのも薄商いと関係があるようだ。」と指摘しています。

7日午後の英ポンドの急伸は、一部の金融機関による「ファットフィンガー」(指が太いために電子トレーディングシステムのボタンを押し間違えたとの意味で「誤発注」を暗示する)が原因と解説されています。

市場では「ヘッジファンドが自社で(EU離脱を巡る)出口調査を実施し、その結果を売り買いに生かしたのではないか」(中窪文男・UBS証券ウェルス・マネジメント本部最高投資責任者)との指摘があり、もし事実なら7日の場合、ファンドはEU残留派の勢力が増したとみてポンド買いに動き、注文を受けたディーラーが何らかの理由で金額を1桁か2桁間違えてしまったということになります。

英ポンドは英トムソン・ロイターの電子トレーディングシステムが相場形成を主導し、ユーロや円・ドルの取引で主流となるEBSのシェアは小さいため、仮に、ただでさえ少数派のEBSでファットフィンガー問題が起きたとすればインパクトは大きくなるのです。

低調な商いはコンピュータープログラムを通じて機械的に売り買いする「アルゴリズム」の影響を高め、「著名な調査会社で残留支持が離脱支持を上回ったらポンド買い、下回ったらポンド売りを入れる」といったプログラムを組み込むアルゴリズムは日によっては英文ニュースのヘッドラインにいちいち反応してしまい、取引量に厚みがない現状では相場をかき乱してしまうことになるのです。

「火中のくりはあえて拾わない」のスタンスは日本で外為証拠金(FX)を手掛ける個人投資家にも広がっているようです。

英国民投票を巡る取引材料である世論調査は調査の規模などによって結果がまちまちで判断は難しく、リスクをとるのが仕事のヘッジファンドのようなまねはしづらい状況にあります。

23日の投票日が近づくにつれて世論調査の頻度が増えることが考えられるため、「ポンド相場は調査の結果に右往左往する」(セントラル短資FXの水町淳彦市場部長)。様子見がベストの選択との考えが広がってもおかしくはなく、無理にトレードに参加する必要はありません。

スリッページ、スプレッドの拡大の可能性も

FX大手の外為どっとコムなどいくつかのFX会社は顧客専用のウェブサイトで、英国民投票を挟んでポンドが大きく振れる可能性について注意喚起しているようです。

注文通りに取引を成立させられない「スリッページ」が頻発したり、売りと買いの取引レートが乖離(かいり)したりするリスクが高まっているといいます。

UBS証券の中窪氏も「個人には持ち高を傾けないように勧めている」といい、相場に張り付いていない投資家の参入はしばらくは危険だと言えます。

市場では英投票の結果が離脱派優勢となれば、英経済が悪影響を受けるとの見方からポンドが急落する可能性があるとみられており、「低リスク通貨」とされる円に投資資金が集まれば、急激な円高につながりかねないと指摘されています。

Sauce:日本経済新聞web版 【英のEU離脱問題「FX相場急変も」 各社、顧客に注意喚起】【混乱続く英ポンド、「誤発注」の余韻 手を引くミセスワタナベ

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