証券会社のキャッシュバックキャンペーンを巡る裁判

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YJFX(旧サイバーエージェント)が行ったキャッシュバックキャンペーンで、期間中に得られた190万円のキャッシュバックを巡る裁判が行われ、その判決が言い渡されました。

裁判名『キャッシュバック金請求事件』です。

キャッシュバック金請求事件 概要

これは、1人のトレーダーがYJFX(旧サイバーエージェント)を相手取って起こした裁判です。

現YJFXが前身のサイバーエージェントFX時代に、2013年5月1日〜31日の1ヶ月間、キャッシュバックキャンペーンと称して、取引額に応じた金額をキャッシュバックするというキャンペーンを実施しました。

キャッシュバックそのものは、キャンペーンに参加したトレーダーに支払われたのですが、原告となったトレーダーに対してYJFX側は、ツールを利用した取引であると断定し、規約違反にあたるとして原告であるトレーダーの口座をキャンペーン期間中の5月27日に強制解約しました。

更には、キャンペーン終了後のキャッシュバック金の支払いを行う時には、口座が無いという理由でキャッシュバック金額の支払いも拒否しました。

その為、口座を強制解約された挙句、キャッシュバック金額の支払いを拒まれたトレーダーが、キャッシュバック金額の190 万円の支払いを求めて裁判を起こしたという事件です。

キャッシュバック金請求事件の争点

(1.)被告が、原告が平成25年6月時点で被告に口座を有していなかった事を理由としてキャッシュバック金の支払いを拒絶することが、権利濫用又は信義則違反となるか(争点1)

(2.)本件条項及び本件注記が、消費者契約法10条に違反するか(争点2)

※判決言い渡し文より転載

キャッシュバック金請求事件の判決

YHFX(旧サイバーエージェント)が開催した、取引額に応じてキャッシュバックをするというキャンペーンは、比較的多くの証券会社も行っていますので、これまで参加したことがある方もおられるかもしれません。

しかし、キャッシュバック利率そのものがそれほど高くない為、一般的なトレーダーは、そこまで多くのキャッシュバックを受け取ることはありません。

しかし、原告であるトレーダーのキャッシュバック金額は190万円。その行方を決める注目の判決が言い渡されました。

主文

被告は、原告に対し、190万円及びこれに対する平成25年9月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

訴訟費用は被告の負担とする。

この判決は仮に執行することができる。

※判決言い渡し文より転載

この様に、原告側の主張が全て通り、被告であるYJFX(旧サイバーエージェント)の全面的な敗訴となりました。

原告は相当稼いでいた?

この原告であるトレーダーは、相当稼いでいたようです。判決言い渡し文にはこう記載されています。

原告は1日に約200件から約500件の取引を行っており、その中には、買付又は売付の約定から数秒後に当該約定によって保有したポジションについて反対売買するという取引がかなりの回数、頻度で発生していた。

例えば、原告が行った取引の中には、約定してからわずか4秒にも満たない期間に決済したものが、2ヶ月弱の間に84件もあった。

しかもそのほとんどが高額の注文であり、原告は多大な利益をあげている。

※判決言い渡し文より転載

原告の勇気は賞賛に値する

FXは、基本的には証券会社との相対取引ですから、トレーダーが勝てば証券会社は負ける仕組みとなっています。

しかし、その損失を防ぐ為にも、証券会社はインターバンクからカバーをとっているのですが、超高速スキャルと言えるほどの短時間の取引では、カバーを取りきれず、損失を出していたのかもしれません。

証券会社とトレーダーの関係性は、ストップ狩りとは?〜真相と対策〜でご確認下さい。

ストップ狩りとは?〜真相と対策〜
ストップ狩りについてFXをしている以上、誰もがストップ狩りと言う言葉を聞いたことがあるかと思います。しかし、一言でストップ狩りと言っても、大きく分けて2つあり、一つはヘッジファンドと言われる投機筋が利益を上げる為に行う手法の一つを言い、もう...

そこで、何かの理由をつけて原告であるトレーダーを排除したかったのかも知れません。しかしながら、原告には何ら非は無く、被告であるFJFX(旧サイバーエージェント)の全面的な敗訴となりました。

もしかすると、この様に自分には何ら非は無いのにも関わらず、強制解約やキャッシュバック金の不払い等の損失を被っている方もおられるかもしれません。

そして、証券会社側は訴えてくることは無いだろうとタカを括っているかもしれません。そう言った意味では、証券会社、トレーダー双方に取って非常に大きな意味のある裁判だと思います。

1人の人間が、証券会社という大きな組織にたった1人で立ち向かった勇気は賞賛に値すると思います。