アルパリが破綻!スイスフランショックの余波

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スイスフラン(CHF)の為替大暴落ショックについて

スイスフラン(CHF)の為替大暴落ショックについて
スイス国立銀行(スイスの中央銀行)が発表した対ユーロ市場の介入の停止発表によって、市場は混乱、結果スイスフランに大変動が起こりました。『有事...

突然のスイス中央銀行の為替介入停止発表を受けて為替相場は大混乱しました。スイスフラン/日本円も40円以上の値動きを見せ、甚大な被害を被った方も多くおられるようです。

スイスフラン暴落の影響はFX業者にも

スイスフラン暴落の影響は、トレーダーのみならず多くのFX業者にも出ています。

スイスフラン相場の急変を受け、欧州を中心に金融機関への影響が広がってきた。

短期的に打撃が最も大きいとみられるのが外国為替証拠金(FX)取引業者だ。

英国が拠点のアルパリは16日、資金繰りに行き詰まり破綻した。

同業でニュージーランド系のエクセル・マーケッツも経営の継続が困難になった。

米同業者のFXCMは15日、顧客が損失を膨らませたため約2億2500万ドル(約260億円)を肩代わりしていると説明した。

顧客の多くが損失を支払えず、同社の負担となるとの思惑から16日早朝の時間外取引で同社株は90%近く下げた。

同日午前の通常取引では値段が付いていない。

一方、金融庁は16日、FX取引業者の日本法人アルパリジャパンに対し資産が流出しないよう国内保有命令を出した。

日本法人で稼働している口座数は2014年6月末時点で約3千ある。

日本でも大量の円買い・スイスフラン売りをしていた個人投資家で「数千万円規模の損失を抱えた顧客もいる」(大手FX会社)という。

スイス中銀が無制限介入をしている限りスイスフラン高にならないとみて一方向に取引を傾けていた。

金融先物取引業協会によれば、14年11月時点のFXでのスイスフランの売り持ち高は1千億円程度に上っていた。

スイスフランは無制限介入の終了表明から対円で約2割急騰。全体として100億円を超す損失が生じている公算が大きい。

ギリシャではスイスフラン建ての貸し出しを抱える銀行に不安が広がり、大手2行がギリシャの中央銀行に緊急融資を要請した。

スイス周辺国のオーストリアやハンガリー、ポーランドの金融機関にも不安は飛び火しつつある。

英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドによるとポーランドの住宅ローンの約4割はスイスフラン建てという。スイスフランの急騰で負債が急膨張するため返済が難しくなる。

出典:日本経済新聞

アルパリジャパンはポジションの強制決済を発表

アルパリジャパンの親会社であり、カバー先であるアルパリUKも破綻を発表しました。

破綻理由は、スイスフラン相場での顧客の損失を肩代わりせざるを得ない状況に追い込まれたということです。それを受け、アルパリジャパンでは下記のような発表がありました。

お客様各位

平素よりアルパリジャパンをご愛顧頂き、誠にありがとうございます。

下記のとおり、本日1月16日付けで当社の親会社およびカバー先であるアルパリUKより以下のアナウンスがございましたことをお伝えいたします。

「スイス国立銀行が対ユーロでの上限を撤廃したことにより、スイスフラン関連の通貨ペアを中心に相場が大きく変動、また流動性の低下が生じました。

その影響により多くのお客様が有効証拠金を上回る損失を被りました。

お客様が損失をカバーできない場合、当社に引き継がれます。 その結果、アルパリ(UK) Limitedは本日(2015年1月16日)をもって破綻致します。」

お客様の資産はFCAの規定に基づき引き続き当社の資産とは分別して管理されております。

なお、本決定に基づき、誠に不本意ながらお客様がアルパリジャパンにて、現在お持ちのポジションを早急にすべて強制決済させて頂くこととなりましたことをご報告させていただきます。

また同時に新規ポジションをお持ちいただく事、入金、口座開設につきましても今後一切を中止とさせていただきますことをご了承頂きたく存じます。

日本におきましても、お客様からお預かりしている資産はすべて完全信託保全の対象となっております。

その他今後の対応については決まり次第、あらためてご報告させていただきます。

出典:アルパリジャパンHP

FX業者がなぜ破綻するのか??

【 ストップ狩りとは?〜真相と対策〜 】でもお伝えした通り、FX業者は、トレーダーのポジションのカバーをインターバンクで取っていますので、FX業者対トレーダーの相対取引であっても、よほど特別なトレード法をされない限りは損はありません。

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しかし、このスイスフラン暴落によって、アルパリUK等のFX業者が破綻に追い込まれる事態となるのでしょうか?

その理由は、損切のロスカット、規定の保証金維持率を下回った場合の強制ロスカットが発動出来なかった事にあります。

ストップ注文の仕組みは、指定した価格をトリガーにして発注する成行注文とも言え、損切り、強制ロスカット共に、その価格に達したネクストプライスで約定させにいくことになります。

下記チャートをご覧ください。

スイスフランチャート 出典:為替サイト ZAi

途中でチャートが飛んでいます。つまり、1.1700以降に置かれたストップが発動するのは、ネクストプライスとなる1.0400からとなるのです。

その結果、ポジションを持っていたトレーダーの損失が証拠金を下回れば、追証と言われ、追加でお金を入金することを求められます。

スイスフラン暴落は、突然の出来事に加え、その規模も尋常ではなく、多くのトレーダーが証拠金維持率を大きく割り込んでしまいました。

当然、追証が発生するのですが、桁が違い過ぎて、多くのトレーダーは払えないでいます。こうなると、FX業者としてもトレーダーの不足金額を回収のしようがなく、追証が事実上、機能しない状況となります。

結果的にこの損失をブローカーが引き継ぐことになるのですが、それがアルパリUK発表の破綻理由のように『スイスフラン相場での顧客の損失を肩代わりせざるを得ない状況に追い込まれた』ということになるのです。

その損失額がFX業者の支払い能力を上回るほど巨額である場合、資金繰りに行き詰まり、破綻せざる終えなくなるのです。

他にも破綻したFX業者がある

スイスフランショックにより、破綻に追い込まれたFX業者はアルパリUKだけではありません。

  • Global Brokers NZ Ltd(excelmarkets)
  • Boston Prime Ltd
  • BT Prime Ltd
  • LQD Markets (UK) Ltd

ざっと調べただけでこれほどのFX業者が破綻に追い込まれています。また、破綻は免れたが甚大な損失を受けた銀行、FX業者は、

  • FXCM(FXCMジャパン証券の親会社)2億2,500万ドルの債務(約260億円)
  • IGグループ(IG証券のグループ)3,000万ポンドの損失(約53億円)
  • シティグループ (世界最大の為替ディーラー)1億5000万ドル強の損失(175億円)
  • ドイツ銀行1億5000万ドルの損失(約175億円)
  • バークレイズ(イギリス・ロンドンに本拠を置く国際金融グループ)1億ドル未満の損失。(約117億円)

と損失の金額もかなり巨額となっています。

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